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歯列矯正は、小児期や成長期に行うものだと思っている方も多いのでは無いでしょうか?
実は、大人になってからでも矯正治療を始めることは可能で、近年はマウスピースを使った目立たない矯正方法もあり、年齢を気にせずに治療を始められる環境が整っています。
今回は、大人の歯列矯正のメリットや、治療の種類、期間について詳しく解説します。美しい笑顔と健康を手に入れるために、ぜひ参考にしてみてください。
1. 大人の歯列矯正が注目される理由
なぜ大人の歯列矯正が今注目されているのか、具体的に見ていきましょう。
①審美的なメリット
近年、コロナ禍を経て、マスクの着用義務が緩和されたため、今まではあまり気にならなかった前歯の歯並びを気にされている方が急増しています。
元々の歯並びをコンプレックスに思っていた方も、歯列矯正により歯並びが整うことで自分の口元に自信を持つことができます。
自信を持って笑うことで自己肯定感も高まり、より笑顔も魅力的になるはずです。
またビジネスの場面や、日常の何気ない対人関係においても、魅力的な笑顔は大きな強みとなることでしょう。
②健康面でのメリット
歯列矯正は見た目の改善だけでなく、口腔内の健康にもつながります。例えば、歯並びが悪いと口の中の手入れが難しくなる事が多く、歯周病や虫歯が進みやすくなる事があります。
また矯正によって歯並びが改善される事で物が食べやすくなることもあり、結果的に全身の健康にも影響して来ます。
③治療技術の進歩
今までは、歯列矯正といえば矯正装置が目立つイメージがありました。
もちろん、今でもワイヤーを使った矯正は非常に一般的であり、ワイヤー矯正じゃないと治せない、難易度の高い症例もあります。
しかし、比較的軽度のものであればマウスピースを用いた目立ちづらい矯正を選択することも可能です。
また、当院では行なっておりませんが、歯の内側(舌側)に装置とワイヤーを付けた、舌側矯正というものもあります。
どの方法が適切かは歯並びの状態によって異なりますので、まずは医院にてご相談下さい。
2. 大人の歯列矯正の種類
歯列矯正にはいくつかの種類があり、患者さんそれぞれのライフスタイルや目的に応じて選ぶことができます。その種類を解説していきます。
①表側矯正/メタルブラケット
メタルブラケットは、最も伝統的で広く使用されている矯正方法です。金属製の小さな装置(ブラケット)を歯の表面に装着し、ワイヤーを通して歯を徐々に動かしていきます。この方法は、比較的細かい調整が出来るため、現在でも最も多く用いられている方法です。
②表側矯正/セラミックブラケット
ワイヤー矯正でないと難しい将来でも、少しでも見た目に気を使いたい方はセラミックブラケットがおすすめです。金属の代わりにセラミック製の装置を使用し、目立ちにくくなっています。しかし、メタルに比べるとやや厚みが出てしまうため少し動かしづらくなってしまうことと、セラミックは割れやすいので、装置の扱いには注意が必要です。
③裏側矯正(リンガル矯正)
歯の裏側に装置を装着する方法です。外からはほとんど見えないため、周囲に気づかれずに矯正を進めることができます。しかし、内側に装置が来るため舌が当たりやすく、また難易度の高いケースだと改善が難しくなる事があります。
こちらは当院では対応しておりません。
④マウスピース矯正
透明なマウスピース型の装置を使用した矯正方法です。マウスピース矯正は、装置を自分で取り外すことができ、見た目が良いだけでなく、口腔内を清潔に保ちやすいメリットがあります。
食事や歯磨きの際に取り外せるため、日常生活に大きな支障なく治療を進めることができますが、ある程度適応範囲が限られているため、すべての症例に対応できるわけではありません。
また、一日に長時間着けて頂く必要があります。
3. 矯正開始から完了までの目安期間
大人の歯列矯正は、開始から完了まで通常1年半から3年程度かかりますが、この期間とは別に、保定期間(歯並びを安定させる期間)が必要になります。
矯正期間と保定期間、それぞれの段階には異なる目的とケアが必要で、全体の成功にはどちらも欠かせません。
➀矯正期間の目安
矯正期間は、実際に歯を動かして正しい位置に整える期間です。通常、この期間は1年半から3年程度続きます。例えば前述した表側矯正の場合、歯に装着したブラケットとワイヤーを使って、定期的に歯の調整が行われます。矯正期間の長さは、患者さんの歯並びの状態や選択した矯正方法、個々の治療ペースによって異なります。たとえば、複雑な歯並びの調整で高度な技術を要する方法では、上記以上に長期間かかることがあります。
➁保定期間の目安
矯正が終わった後、歯を新しい位置に固定するための期間を保定期間と言います。この期間は通常1年半から2年ほどです。歯が動いた直後は、まだ骨や歯ぐきが安定していないため、「リテーナー」と呼ばれる保定装置を使用して、固定する事で歯の位置が動かした場所から動きづらくします。
リテーナーは取り外し可能なものや、固定式のものがあり、歯科医の指導に従って定期的に使用します。
よく勘違いされますが、保定は歯を動かしづらくするためのもので、保定中に全く歯が動かないわけではありません。
しかし、長期に渡って使用していただく事で、なるべく後戻りの少ない、調和した歯並びを維持してもらう事が出来ます。
4. 矯正中の生活を快適に過ごすためのポイント
矯正治療中(特にワイヤー矯正中)は制約もありますが、日常生活の工夫次第でより快適に過ごすことができます。
ここでは、矯正中に役立つ生活のポイントを紹介します。
①食事のポイント
ワイヤー矯正中は、装置を傷つけないために食べ物の選び方に気をつける必要があります。硬い食べ物や粘着性のある食べ物は、装置の破損やワイヤーの歪みを引き起こす可能性があるため、避けた方が良いです。特に注意すべき食べ物には、キャラメルやガム、ナッツ、ハードキャンディ、トーストのような硬いパンなどが含まれます。
またラーメンなどの麺類も、比較的装置に引っかかりやすいため、避けて頂いた方が良いです。
食事のポイントとしては、食材を小さく切って食べることや柔らかい食品(スープ、蒸し野菜、ヨーグルトなど)を選ぶことで、矯正装置の違和感や負担を軽減できます。
②歯磨きのポイント
矯正装置があるとむし歯や歯周病を予防するためには、いつも以上に丁寧なケアが必要です。特にブラケットやワイヤーの周囲は食べ物のカスが溜まりやすいため、デンタルフロスや歯間ブラシを活用することで、清潔を保ちやすくなります。
歯磨きのポイントとしては、矯正用のフロスや歯間ブラシを使用し、ワイヤーの下や隙間に詰まった食べかすをしっかり取り除きましょう。
③定期健診
矯正治療中は、歯科医師による定期的な調整が必要です。ワイヤーの調整や装置の確認を怠ると、治療期間が延びるだけでなく、口の中が傷付いたり、思わぬ歯の動きをしてしまったりと、トラブルが発生するリスクも高まります。歯科医師の指示の通りに来院し、装置に違和感や痛みがある場合は、早めに適切な処置を受けましょう。
以上のように、大人になってからでも歯列矯正を始めるのは決して遅くありません。歯列矯正を行うことで、見た目の改善だけに留まらず、口腔内の健康や全身の健康にも大きな影響を与えます。
矯正治療を成功させるためには、自分に合った矯正方法を選ぶことが重要です。
そのためにも、信頼できる歯科医師と十分に相談し、治療の計画を立てることが大切です。また、矯正治療中に感じる不安や疑問も、定期的な診察を通じて解決していくことが可能です。
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監修:奥州Premium MT歯科・矯正歯科 仙台駅西口
院長 鈴木 慧
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