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矯正治療を始める前に、治療期間がどのくらいかかるか気になる方は多いのではないでしょうか。
一般的に矯正治療は治療期間が長くかかりますが、それには理由があります。今回は、矯正治療にかかる期間の理由やその流れ、治療をスムーズに進めるためのポイントについて解説します。
1. 歯の矯正にかかる期間
矯正治療にかかる期間は、個人のお口の状況によって異なりますが、一般的には2年から3年程度が目安とされています。
また、こちらは歯を動かす「矯正期間」の目安であり、歯を安定させる「保定期間」は含まれていません。
①矯正期間
矯正期間は、矯正装置を使用して歯を正しい位置に動かすための期間を指します。全顎矯正では2年から3年ほど、部分矯正では半年から1年半程度が目安となります。この期間は、患者さんの歯並びの状態、年齢、矯正装置の種類によって異なるため、正確な期間は歯科医師に確認する必要があります。
②保定期間
保定期間は、動かした歯を新しい位置に安定させるために必要な期間です。この期間中は、リテーナー(保定装置)を使用し、歯が元の位置に戻らないように管理します。通常、保定期間は2年ほど続きますが、場合によってはそれ以上かかることもあります。保定期間をしっかり守ることで「後戻り」を防ぎ、理想的な歯並びを維持することができます。
2. 矯正の治療期間はなぜ長い?
歯を動かす際には、まず歯を通して周りを支えている骨に刺激を与え、歯が動きやすい状態を作ります。その後、骨の吸収と添加を繰り返しながら、歯の周りの骨自体の形も変化させながら歯を動かしていきます。
この吸収と添加の繰り返しを行いながら歯が動いていくのですが、骨の変化にはとても時間がかかるためゆっくりとしか歯並びが変えられず、結果的に治療期間が長くなります。
また、矯正治療は単に歯に強い力をかければ早く動き、治療が進みやすくなるわけではありません。
基本的に歯が動くためには適切なスペースが必要となるため、ほとんどの場合まずこのスペースの確保が必要になります。
さらに、無理に強い力をかけすぎると、歯茎が下がる「歯肉退縮」や歯の根が短くなる「歯根吸収」などのリスクが高まります。
これを避けるためには、歯になるべく弱い適切な力をかけてゆっくりと動かす必要があります。この慎重なプロセスが矯正治療の期間を長引かせるもう一つの理由です。
このように、慎重に歯を動かすことで効果的な治療につながるため、矯正治療には長い期間が必要となります。
3. 矯正治療の流れ
矯正治療は、いくつかのステップに分かれて進行します。以下にその流れを紹介します。
①カウンセリング
カウンセリングでは、患者さんのご希望を伺い、矯正治療に関する詳しい説明を行います。
治療の内容や流れ、期間や費用の目安などについて丁寧にご説明します。
②精密検査
歯並びの状態を詳しく確認するためには、治療を開始する前に、患者さんの口腔内の状態を正確に把握するための精密検査が必要となります。歯型の採取、CT撮影、レントゲン撮影、口腔内写真撮影、顔面写真撮影などを行い、歯並びや骨の状態、噛み合わせなどを確認します。
また、検査の際にむし歯や歯周病が見つかった場合は、矯正治療を始める前にそれらの治療を優先致します。
③治療計画の作成
精密検査の結果をもとに、患者さん一人ひとりに最適な治療計画を立てます。どのように歯を動かしていくのか、どの矯正装置を使用するのか、治療にかかる期間や費用はどのくらいか、などを具体的にご説明します。
④矯正装置の装着
治療計画に基づき、いよいよ矯正装置の装着が始まります。矯正装置には、ワイヤーとブラケットを使った固定式のものや、取り外し可能なマウスピース型のもの等があります。
⑤定期的な通院と調整
治療期間中は、定期的に通院して頂きながら、経過の確認や装置の調整などを行います。調整の頻度は装置や治療計画、進行状況により異なりますが、通常は1〜2か月に1回程度となります。
⑥矯正装置の取り外し・保定期間
歯が理想の位置に移動したら、矯正装置を取り外します。
しかし、歯はまだ安定していないため、元の位置に戻らないように「リテーナー」と呼ばれる保定装置を使用します。この保定期間は通常1~2年程度で、リテーナーを装着することで歯が新しい位置に定着し、後戻りすることを防ぎます。
⑦メンテナンス・経過観察
保定期間が終了した後も、定期的なメンテナンスや経過観察が重要です。歯並びや噛み合わせの状態をチェックし、問題がないか確認させて頂き、長期に渡り適切な口腔内の状態を保てる様に致します。
4. 矯正治療を長引かせないコツ
様々な理由から矯正治療はどうしても治療期間が長くなってしまうことが多いですが、出来る限り短くするためには、以下のポイントを守って頂く事が重要です。
①定期的な通院を欠かさない
矯正治療では、装置の調整や進行具合の確認のために定期的な通院が必要です。調整のタイミングを守らずに通院を遅らせると、歯の移動が計画通りに進まず、結果的に治療が長引くことになります。指定された通院スケジュールをしっかり守り、適切なタイミングで治療が進むよう心がけましょう。
②装置の使用方法を守る
取り外し可能なマウスピース型の矯正装置(インビザラインなど)を使用する場合は、指定された時間しっかり装着することが治療の成功につながります。装着時間を守らなかったり、装置を正しく使用しないと、予定通りに歯が動かず、治療期間が延びる原因となります。
③口腔内を清潔に保つ
矯正治療中は、歯に装置がついているため、口腔ケアが重要になります。適切なケアを怠るとむし歯や歯周病が発生し、治療が必要になることで矯正治療が中断され、結果として治療期間が長くなってしまう事があります。
毎日のブラッシングやフロスなどで口腔内を清潔に保ち、トラブルを防ぐことが矯正治療のスムーズな進行に繋がります。
④生活習慣に気をつける
硬い食べ物や粘着性のある食べ物を頻繁に食べると、装置が外れたり破損するリスクが高まります。装置が破損すると、その修理や再装着のために治療が遅れることがあります。食べ物や噛み方に注意し、治療中は装置に影響が出ない様にすることが大切です。
矯正治療は、歯を安全に正しい位置へ移動させるために2年から3年の期間を要します。治療期間を短縮するためには、定期的な通院や装置の正しい使用、口腔内の清潔保持が重要です。さらに、生活習慣に気をつけることで装置のトラブルを防ぎ、治療の遅延を回避できます。自己判断で治療を中断せず、歯科医師の指示に従うことで、効率的で効果的に治療を進める事ができます。これらのポイントを守り、理想的な歯並びを手に入れましょう。
仙台駅周辺で矯正治療をご検討されている方は、奥州PremiumMT歯科・矯正歯科 仙台西口 へご相談ください。
監修:奥州Premium MT歯科・矯正歯科 仙台駅西口
院長 鈴木 慧
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