▼目次
ワイヤー矯正は、歯列矯正の中で最も歴史のある治療法です。海外でも、歯列矯正といえば基本的にはワイヤー矯正を意味します。
しかし、「どのタイプの矯正方法が自分に合っているのか」「治療に使う装置の違いは何か」と疑問を持たれる方も多いのではないでしょうか。今回は、ワイヤー矯正の種類と特徴、治療に使用される装置について詳しく解説します。
1. 表側矯正と裏側矯正の種類とその特徴
現代行われている最も一般的なワイヤー矯正は、ブラケットと呼ばれる小さなボタンのような装置を歯に装着し、それらをワイヤーで繋ぎ力をかけて歯を動かす矯正方法です。
ワイヤー矯正には以下のような種類や特徴があります。
①表側矯正
表側矯正は、歯の表側にブラケットとワイヤーを取り付ける方法で、あらゆる歯並びに適応可能な矯正方法です。
装置が外から見えるため、治療中の見た目が気になる可能性がありますが、施術者が装置にアプローチしやすく、細かい調整がやりやすいため、最も多く用いられる方法です。
②裏側矯正(リンガル矯正)
裏側矯正(リンガル矯正)は、歯の裏側にブラケットとワイヤーを装着する方法です。
歯の裏側に配置されるため、矯正治療をしていることが他人に気づかれにくいという特徴があります。
一方で、装置が内側にあるため舌に当たり、発音や食事の際に影響が出たりする事があります。
また、力学的にも歯の内側から力を加えても歯が動きづらいため、難易度の高い症例だと治りづらく、時間がかかりやすいです。
こちらは、当院では行なっておりません。
③ハーフリンガル矯正
ハーフリンガル矯正は、上の歯には裏側矯正、下の歯には表側矯正を行う方法です。
笑う際に見えやすい上の歯の装置が裏側に配置されるため、外見への影響を抑えながら治療を進めることができます。
下の歯には表側の装置を使用し、一般的な裏側矯正より費用を抑えることができるのも特徴です。
こちらも、当院では行なっておりません。
2. ブラケットとワイヤーの種類と特徴
ワイヤー矯正では、基本的にブラケットとワイヤーを使用しますが、いくつか種類があります。
こちらは、患者さんの要望や口腔内の状況を見て、適切な物を選択していく様になります。
<ブラケットの種類>
①メタルブラケット
耐久性が高く、多くの症例に対応できる点が特徴です。
見た目はやや目立ちやすいですが、比較的厚みが薄いため、細かい力の調整がやりやすい特徴があります。
➁セラミックブラケット
歯に近い色合いを持つセラミック素材でできており、目立ちにくいのが特徴です。
審美性が高いですが、一般的にはメタルブラケットと比べ、厚みが出るため異物感は出やすく、またやや動きづらくなります。
➂プラスチックブラケット
白く目立ちにくい材料ですが、セラミックと比べ耐久性が劣るため、破損しやすくなります。
基本的にあまり使われる事はありませんが、場合によっては当院で使用する事もあります。
<ワイヤーの種類>
①メタルワイヤー
耐久性が高く、一般的に使用される金属製のワイヤーです。
金属なので見た目は目立ちやすいですが、金属の種類や太さ、形も豊富で、歯に対して理想的な力を加えやすいです。
➁ホワイトワイヤー
メタルワイヤーに白いコーティングが施されているため目立ちにくい点が特徴です。
強くブラッシングすると表面のコーティングがはがれてしまう可能性があるため注意が必要です。
3. ワイヤー矯正のメリットとリスク・注意点
ワイヤー矯正には、歯並びの改善や噛み合わせの調整など多くのメリットがありますが、その一方で注意すべき点もいくつかあります。
ワイヤー矯正の主なメリットと注意点について詳しく見ていきましょう。
<ワイヤー矯正のメリット>
①適応症例が幅広い
ワイヤー矯正は、軽度から重度の不正咬合まで対応しています。抜歯が必要なケースや歯の重なりが複雑な歯並びなど、あらゆる矯正の中でも最も適応症例の広い矯正治療法です。
➁装置着脱の際に自己管理の必要がない
一般的に、マウスピースタイプや床タイプの装置など、取り外しの出来る装置は掃除がしやすいメリットがある反面、効果の出方が患者さんの使用方法に依存します。そのため使い方が悪いと上手く歯が動いてくれず、より時間がかかってしまうことがあります。
ワイヤー矯正の装置は、ご自身で取り外すことができないため、手入れさえ出来ていればしっかりと効果が出てくれます。
➂ブラケットやワイヤーの選択肢が多い
使用する装置やワイヤーの種類、太さなど、選択出来る種類が多いため、症例に応じて適切な装置を提案することができます。
<ワイヤー矯正のリスク・注意点>
①口腔内に違和感や痛みが生じる可能性がある
矯正装置を装着することで、特に初期には話しづらを感じたり、舌が装置に触れることで不快感や痛みを感じることがあります。
また、ワイヤーを調整した当日は痛みが出る事があります。
➁口腔内の小まめなケアが必要
ブラケットやワイヤー周りに汚れがたまりやすいため、虫歯や歯周病などが進みやすくなります。
そのため、普段の歯磨きなどの口腔内ケアに注意が必要です。
歯ブラシだけでなく、歯間ブラシや洗口剤なども使いながら、清潔な状態を保つようにしましょう。
4. ワイヤー矯正の治療期間の目安
ワイヤー矯正の治療期間は、一般的に2〜3年程度が目安とされています。しかし、治療の内容や患者さんの口腔内の状態によって異なります。
元々の難易度などによっても期間は変わりますので、影響する要素などに関して、いくつか示します。
①抜歯の有無による期間の違い
一般的に、歯の混み具合が多かったり、審美の改善のために前歯を大きく落とさないといけなかったりする場合、奥歯の抜歯が必要になることがあります。
抜歯が必要なケースの場合、歯を動かす距離も大きくなる傾向にあるため、治療期間がより長くなる可能性があります。
➁全体矯正と部分矯正の違い
矯正治療は、治療の範囲によっても期間が異なります。全体矯正では、全ての歯を対象に噛み合わせや歯並びを整えるため、治療期間は2〜3年程度が一般的です。
一方で部分矯正では、特定の歯のみを動かす治療法で、治療期間は半年〜1年程度と短く済むことが多いです。
しかし、気になる部位が部分的であっても、全体を動かさないといけない事が多いため、内容と治療期間を照らし合わせて方法を決定する必要があります。
ワイヤー矯正は、歯並びや噛み合わせを改善するために効果的な治療法です。表側矯正と裏側矯正など、ブラケットやワイヤーの種類には、それぞれメリット・デメリットがあります。治療期間や注意点をよく理解し、自分に合った治療を選ぶことが大切です。
奥州PremiumMT歯科・矯正歯科では、患者さん一人ひとりに適した矯正治療をご提案しております。
仙台駅周辺で矯正治療をご検討されている方は、奥州PremiumMT歯科・矯正歯科へご相談ください。
監修:奥州Premium MT歯科・矯正歯科 仙台駅西口
院長 鈴木 慧